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オーナー企業防衛策&乗っ取り

敵対的買収防衛策については、盛んに議論されています。実際に新株予約権を用いた防衛策(ポイズンピル・ライツプラン)について導入している企業も多く存在します。

ポイズンピル・ライツプランの詳細はコチラ

もっとも、オーナー企業(中小企業)においては、通常、買収防衛策について導入する必要はありません。上場企業と異なり、株式に譲渡制限が附されているので、誰でも自由に株式を買い占める事が不可能です。

この点から、外部者による敵対的買収の危険にさらされる事はありません。外部からの攻撃には強くとも、内部(肉親者及び他の役員)からの攻撃にも強いとは限りません

通常のオーナー企業(同族経営)において、考えられるパターンは2つあります。社長(創業者)が100%保有している場合、共同創業者(役員が2名以上)がいる場合です。それぞれのケースにおいて、内部クーデターが生じる可能性があります。


一見すると、社長が全ての株式を保有している事から、内部抗争(クーデター)が生じる危険性は無いと思えます。しかし、実際は、そんなに甘くありません。ただし、平時においては、クーデターが発生する危険性は皆無です。

しかし、相続発生時においては、事態が一変します。相続人(社長の子息)が複数人存在する場合は、株式の分散が生じます。株式の分散を阻止するとしても、多額の現金が必要となり、結果として経営権の集中を行う事が困難となります。

権限移譲について誤ると、後継者に対して権力集中がスムーズに出来ず、内部クーデターに近い事態が発生します。結果として、会社の存続が危うくなります。株式の相続についても対応策が必要。

社長が100%保有している場合は、クーデター対策として、種類株式を用いるなどの事前の対策が必須です。社長の決定が会社の決定となる事から、社長の意思で何でもスムーズに決定する事が可能となります。

クーデター防衛というより、後継者に対するスムーズな権限移譲対策を視野に入れて対策を講じる必要があります。

名義株が存在する場合は、別途注意が必要です。平成2年以前に設立された会社は、特に注意が必要となります。100%に近い確立で名義株が存在する可能性があります。

社長が100%でも、名義株主が存在すると、実質的には100%では無い可能性があります。放置すると後々厄介な事になる可能性があります。この名義株対策も含めて、全体として対策を施すべきです。名義株対策は、早ければ早いほど良い。

名義株の詳細はコチラ


社長以外にも株式を保有している者が存在する場合は、経営権の取得(乗っ取り)の危険性が増大します。完全に経営権を取得できなくても、一定の事項に関して、経営に口出しする事が可能となります(少数株主権)。

相続が発生するとクーデターが生じる危険性は更に増します。昨今は、定款に「相続人に対する株式売渡し規定」が盛り込んである場合が殆です。この規定は、株主に相続が発生した場合に会社に対して株式を売渡す事が請求できます。

通常考えると、株式が拡散しないための規定です。しかし、この規定がある場合は注意が必要です。場合によっては、仇となる危険性があります。

相続クーデターの詳細はコチラ

更に、名義株が生じている場合は問題が複雑になる可能性があります。名義株主が株主としての権利行使を行った場合は、これを防ぐ方法はありません。実際に権利行使される前に対策を講じる必要があります。

名義株に相続が発生していると防衛策については、もっと複雑になります。専門家の助言無くして対処できないと思われます。名義株が存在する場合は、早急に防衛策について導入する必要があります。

名義株もれっきとした株主です。株主である以上は、株主権が発生します。通常、少数株主権と呼ばれます。経営に関して一定の関与が認められます。
少数株主権を行使されると、経営に一定の影響が生ずる可能性は否定できません。また、代表訴訟を提起される可能性もあります。

何らかの手法を用いて(強制的な手法含む)も、しっかり対策を講じる事が結果として、会社を護る事になります。

名義株に関する詳細はコチラ
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▼ 具体的な対策について ▼ 乗っ取りについて

具体的な対策について

クーデター防衛策について一律に定める事はできません。個々の企業において、事情は大きく事なります。それぞれの実情に応じた対策を講じる事が不可避です。一般的には、種類株式(会社法108条)、属人的定め(109条)について活用するケースが多いです。ヒーロー株及びVIP株としての活用が実用的です。実際、当事務所に御依頼を頂戴した企業様にも、同様の活用を行っています。

種類株式、属人的定めは、幅のある設定ができるので、事情に応じた設計が可能となります。使い勝手がとても良い。オーナー企業のクーデター対策にはもってこいと言えます。

 具体的なクーデター防衛策導入については、個々の事情をお伺いした上で、最善の策について御案内致します。まずは御相談ください。

個性に着目した株式(種類株式、属人的定め)の詳細はコチラ

乗っ取りについて

持分会社、オーナー企業においては、乗っ取り(敵対的買収)のチャンスは滅多にありません。部外者(血縁関係者)に株式が移転しないような設計がなされています。株式会社であれば、株式を保有しないかぎり会社支配(乗っ取り)を行う事は不可能に近いといえます。

防御するポイントは、逆をいえば攻めるポイントでもあります。乗っ取りを考える場合は、防衛策の間逆を行えば乗っ取りが可能となります。ただし、一般的なオーナー企業は、株式に譲渡制限が附されるので、部外者が乗っ取る事(株式を取得する事)は困難です。

会社クーデター(乗っ取り含む)は、内部者(親族又は役員)が起こす事になります。部外者が起こしても、株式を取得できない以上、乗っ取りは成功しません。

ただ、名義株があれば、内部者以外にもチャンスがあるかもしれません。この点を考えても、防衛する側は、名義株対策を施す必要があります。

内部者としては、相続が発生した場合はチャンスです。また、100%社長が保有していない場合もチャンスです。個々の事情により手法は千差万別です。

防衛策に精通しているからこそ、乗っ取りにおいても威力を発揮します。乗っ取りを行いたいなども御相談ください。法律に基づいて、適切な助言を行います。

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